井の頭恩賜公園
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井の頭公園(いのかしらこうえん)も、関西人に耳覚えがある地名だ。
井の頭公園は、吉祥寺のすぐ近くにある公園で、23区内にはない。
三多摩(さんたま)の一つの北多摩地区で、武蔵野市と三鷹市の市境にある。
ただし、吉祥寺のところでも書いたとおり、東京の中心部からさほど離れた場所ではない。
新宿や渋谷には電車で18分の距離だし、東京駅まで行くとしても、40分程度しかかからない。
三多摩は、山手線の内側に住む人にとっては東京都外に感じるようだが、井の頭公園は少し違うようだ。
というのも井の頭公園一帯は、徳川家ゆかりの場所で、平安時代からよく知られた土地だったかららしい。
とくに江戸時代は、徳川幕府の御用林として保護され、将軍や御三家達が鷹狩りなどを楽しんだという。
この地が「三鷹」と呼ばれているのは、なったという説もある。
井の頭恩賜公園 広域地図
※地図データ(C)2018 Google,ZENRIN
※Googleマップで詳しく見る→井の頭恩賜公園 広域地図
井の頭公園内にある井の頭池は、豊富な水量を誇っていて、その水が神田川に流れている。
江戸時代には、井の頭池は、江戸の庶民の行楽地としても栄えたらしい。
井の頭池には島があるのだが、その島には弁財天が祭られており、庶民の信仰の対象となったという。
そもそも、神田川に井の頭池の水が流れ込んでいるのは、偶然ではない。
徳川家康が幕府を開いたあと、神田川が整備され、神田上水(かんだじょうすい)が作られたのだが、その水源地として選ばれたのが井の頭池だった。
この地の7つの湧水から流れ出る水を引き込んで、神田上水を作ったのだ。
上水というのは簡単に言うと水路で、井戸水だけでは賄いきれなかった江戸の水需要を、神田上水の水が賄った。
江戸時代には神田上水の他にも、いくつかの上水があるが、よく知られているのはこの神田上水と、玉川上水(たまがわじょうすい)の二つだ。
井の頭恩賜公園 周辺地図
※地図データ(C)2018 Google,ZENRIN
※Googleマップで詳しく見る→井の頭恩賜公園 周辺地図
因みに、恩賜(おんし)という名前が付いているのは、明治維新の際に、幕府の御料林だったこの辺りの土地は、東京府に買い取られて、そのあと皇室財産となった名残である。
井の頭恩賜公園 交通アクセス
- JR中央線「吉祥寺」下車 徒歩5分
- 京王井の頭線「井の頭公園」下車 徒歩1分